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(写真はすべてイメージです)

右も左も分からないひとり親生活
周囲を信じて、まずは「相談」を

ひとり親の新生活を始めようにも、何から手をつけていいか分からず戸惑う方もいるでしょう。ひとり親の“先輩”たちも、そんな不安定な時期を乗り越えてきました。大切なのは、一人で抱え込まないこと。分からないこと、不安なことはまず周囲に「相談」してみるのが、初めの一歩です。

――ひとり親家庭になった経緯を教えてください。

そもそも元夫の勤務形態が変則的で、夫婦の生活サイクルにズレがありました。息子が生まれてからは、私がほぼ一人で子育てをしていて、そのうち行き違いが増えていき関係が悪化していきました。やがて元夫から暴言や暴力を受けるようになり、息子が3歳の誕生日を迎えたころ、関係修復は不可能だと判断して離婚しました。

あちこちに相談しまくる日々

――新生活はスムーズにスタートできましたか?

分からないことだらけで大変でした。あちこちに電話して相談しまくっていました。まずは無料の電話相談から始めて、行政から民間団体、法テラスまで、とにかく様々な人に尋ねました。その結果、芋づる式に役立つ支援にたどり着くことができたのです。

――現在はどのような日常生活を送っていらっしゃいますか。

幼稚園に通う息子と二人で暮らしています。幼稚園が14時に終わるので、フルタイムの仕事は避けて在宅でwebサイト運営の仕事をしながら、週に2回ほど歯科衛生士のアルバイトをしています。

こどもとの時間をできるだけ確保するように心がけています。だから週末もほとんど仕事をしません。近くに住む父母に時々、助けてもらっていますが、高齢なのであまり頼ることはできません。

「えいっ」って感じで相談してみた

――行政や支援の窓口などには、迷いなく相談できましたか?

とても勇気がいりました。尻込みすることもありました。でも何もしないと困ったまま。「自分が悪いわけではない。困っているのだから」と考え直して、最後は思い切って「えいっ」って感じで電話してみる。そんな繰り返しでした。

――ひとり親生活を送るにあたって、どのような支援が役に立ちましたか?

色々な支援を利用したのですが、無料電話相談と金銭的な支援は、できるかぎり利用した方がいいと感じました。無料電話相談は、離婚前からよくお世話になっていました。

当初は、何をどこに相談したらいいのかもわからない状況でした。かなり大まかな質問もしました。でも親切に教えていただけてとても助かりました。ここから芋づる式に、就労支援やひとり親家庭の日常生活支援などと繋がることができました。

行政窓口の相談員さんとの面会の際にいただいたリーフレットは、ひとり親向けの支援がまとめられていて便利でした。そこから新たに相談先を見つけて問い合わせることも多かったです。

金銭的な支援では、月に4万円家賃を補助していただける制度(※)を利用しました。離婚前にいくらかの貯金をしていたとはいえ、退職して収入がない中での新生活だったので、精神的な支えになりました。

※ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業(住宅支援資金貸付)。詳細はこちら別ウィンドウで開く

新生活スタート半年で体調を崩す

――今までで一番大変だと感じたことを教えてください。また、それをどのように乗り越えましたか?

離婚してから半年くらいは大変でした。引っ越し、退職、職業訓練、幼稚園探しなどの新生活の準備がいろいろと重なってしまって。相談員さんや両親の手を借りて、なんとかすべての段取りをつけられました。

独自の預かり保育がある幼稚園なのですが、入園から半年間はその保育が利用できず、毎日14時にお迎えに行かなければなりませんでした。職業訓練のための勉強は睡眠時間を削って捻出するしかありません。そんな日々を送るうちに、ストレスと疲労から体調を崩してしまいました。つらかったですねえ。

抑えられないイライラも相談

小さなことですぐにイライラして息子を厳しく叱る自分に恐怖を感じ、ひとり親家庭を対象とした医療費助成制度を利用して、ウィメンズクリニックに相談しました。診断結果はPMS(月経前症候群)とのことでした。漢方などを処方してもらったおかげで、なんとか改善に向かいました。

いまは感情の起伏も穏やかになり、息子を叱ることも減りました。職業訓練が終わる頃には、幼稚園の預かり保育が利用できるようになったのも大きかった。体力的にも精神的にも落ち着きを取り戻すことができました。

花火の見える部屋に感動

――今までで嬉しかったと感じたことを教えてください。

幸運にも公営住宅に当選し、いまはそこに住んでいます。部屋からは夏に花火が見えるんです。打ち上げ花火に感動した息子が「ママ、いい部屋が当たったね!」と喜ぶ姿を見たときは、感慨深いものがありました。

何気ない日常の出来事に感謝を伝えあうたびに自然と笑顔になります。時々、「ママ大好きだよ」と自分の感情を言葉で伝えてくれたりして、こどもの成長に驚かされると同時に喜びを感じます。

何よりも、いろいろなことに気をつかっていた離婚前の生活から抜け出すことができて、息子と気兼ねなく過ごせる日々が幸せです。

相談してよかったと必ず思えるから

――ひとり親の方やこれからひとり親になる方へのメッセージやアドバイスがありましたら教えてください。

新しい生活をスタートさせるには、まずは相談が必要です。そうはいってもハードルが高いですよね。「こんな細かいこと相談していいのか」「こんなこと尋ねて変な人だと思われたりしないか」などと不安になります。

でも心配しないでください。みなさん優しくて丁寧に対応してくれます。必ず「相談してよかった」と思えるようになります。時には、応対したスタッフと相性が合わないこともあるかもしれません。私にもありました。でもお願いしたら担当を代えてくれたのです。だから安心して相談してください。

とはいえ、一番の現実的な対策は、離婚までにできるだけ貯金をしておくことだと思います。まとまった貯金があると将来への不安が軽くなるので、心に余裕が生まれます。

想像以上に消耗 まずは体力作りを

また私個人として痛感したのは、体力の必要性です。離婚する前からほぼ一人で子育てをしていたので、離婚後もきちんとした生活をこなせる自信がありました。

でも、現実はそんなに甘くはありませんでした。新生活を迎える準備で体力的にも精神的にも疲れてしまい、すぐにイライラしたり、怒ったりして、息子に悲しい思いをさせてしまいました。

離婚直後の大変な時期を乗り越えるためにも、その後のこどもとの楽しい時間を過ごすためにも、体力は必要です。ぜひ、日頃から体力作りを心がけてください。

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